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2024年06月12日
OBD検査は、自動運転技術の普及に伴い、その安全性を確保するために不可欠なプロセスとなっています。最新の自動ブレーキやその他自動運転に関連する技術は、日々進化し、幅広い車種に搭載されるようになっています。これらの技術は交通事故の減少に寄与する可能性が高い一方で、万が一の故障が起きた場合、誤作動が原因で新たな事故を引き起こすリスクもはらんでいます。そのため、自動車に搭載されている電子装置の健全性を定期的にチェックすることが重要です。
OBD検査とは、自動車に内蔵された自己診断機能である車載式故障診断装置(OBD)を活用した検査方法です。このシステムは、車両の電子制御ユニット(ECU)に異常がある場合、故障コード(DTC)を記録し、それを特定して問題点を明らかにします。OBD検査では、事前に設定された「特定DTC」を基に、車両から読み取ったDTCを通信によって確認し、目に見えない潜在的な不具合を発見することができます。
この検査に関する情報は、独立行政法人自動車技術総合機構が運営する「OBD検査ポータル」のホームページに集約されています。このサイトでは、自動車整備業者が新規ID取得の申請を行ったり、必要なクライアント証明書の取得、特定DTC照会アプリのインストールなど、OBD検査に関する一連の手続きを進めることができます。
指定工場では、OBD検査を含む全ての検査を自ら完結させることが義務付けられています。そのため、自動車検査員がOBD検査を実施することが必須となります。一方で、認証工場では、検査場に車両を持ち込む際にOBD検査を行うため、厳密には申請が必須ではありません。しかし、現地で特定DTCが検出された場合、即座に修理を行うことができない可能性があり、継続検査更新が難しい状況に陥ることも考えられます。さらに、OBD検査に要する時間が追加されるため、検査場での混雑が予想されます。したがって、可能な限り、検査前に自社でOBD確認を行い、問題がない状態で車両を検査場に持ち込むことが望ましいとされています。事前にOBD確認を終えた車両は、検査場でのOBD検査を省略できるケースもあるため、効率的な検査が可能です。
2023年10月から2024年9月末まで実施されるプレテスト期間中は、OBD検査対象車両の見分け方、特定DTC照会アプリの操作方法、画面遷移などに慣れる絶好の機会です。また、ID申請後の各種インストール作業や、自社での検査体制を整えるための準備期間としても役立ちます。この期間を利用して、完成検査の最適なタイミングや、従来のOBD点検との違いを理解し、整理することができるでしょう。
最後に、検査用スキャンツールに関しては、指定工場では自動車検査用の機器として届出が必要です。現在、この機器の校正は年に一度必要とされていませんが、将来的にはその要件が変更される可能性もあります。指定自動車整備事業規則などの一部改正省令が公布されており、施行日は令和6年10月1日ですが、経過措置として令和5年4月1日以降から検査用スキャンツールに関する届出が可能になっています。
OBD検査は自動車の安全性を確保するために不可欠であり、自動車整備業界においては、これからも注目される分野であることは間違いありません。この検査を通じて、自動運転技術の信頼性を高め、より安全な交通環境の実現に貢献することが期待されています。
いわゆる検査用スキャンツールでは、接続方法によって主に3種類に分類することができます。VCI型、タブレット型であったり、整備・検査兼用、検査専用であったり。指定工場様における完成検査のプロセス、また認証工場様におけるOBD確認での対応など、現場での使い勝手を伺った上で、最適なものをご提案させていただきます。検査用スキャンツールの選定でお困りの際は、ご用命をお待ちしております。